【団員インタビューvol.10】岡 茉里奈さん(ファゴット)
「シュタフィル室内楽シリーズ Vol.4」(2022年5月1日)の公演を前に、今回はこの公演に出演される岡 茉里奈さん(ファゴット)にインタビューをしてきました。岡さんのご経歴や今回の公演の見どころ、またシュタフィルの魅力について存分に語っていただいています。
2022年4月5日 Zoomでのビデオ通話インタビュー
インタビュアー:今泉洋(シュタフィル広報担当)
―――岡さんがファゴットを始めたきっかけを教えていただけますか?
私は宝塚で育ったのですが、地元の中学校で吹奏楽部に入ったのが、ファゴットを始めたきっかけです。本当はトランペットがやりたくて、ファゴットについては第3希望にすら挙げていなかったんですけど(笑)、顧問の先生から勧められてファゴットをやることになりました。今では、先生にファゴットを選んでいただいて本当によかったと思っています。
―――どうして先生は岡さんにファゴットをやらせようと思ったんでしょう?
先生は、生徒の口や歯の形を見て楽器を選んでくださる方なんですが、私の口の形を見てダブルリードが合っていると思われたようです。あるとき、同じくダブルリードが合っているとされた友達と二人で先生に呼び出されてリードを吹いてみたのですが、その時点ではそのリードがどんな楽器の一部分なのかもよくわかっていませんでした(笑)
リードを吹いてみた結果、私はファゴットは鳴ったもののオーボエが鳴らず、一方の友達はオーボエは鳴ってファゴットが鳴らなかったため、こうして担当楽器が決まりました。
―――中学校・高校では吹奏楽を熱心にやって来られたと思うのですが、どうして大学以降はオーケストラに転じたのでしょうか?
私がファゴットの好きなところは、音域がとても幅広いので、いろんな表現ができる点なんですね。高校のとき私はソロコンなどにも出ていて、ソロのときは自分を表現できているという感覚がありました。
一方で、吹奏楽の中に入るとファゴットは主にリズムを担当するし、おいしい場面があっても周囲の音にかき消されてしまったりして、その良さが十分に発揮できていないという思いがありました。
大学に入ってから、同じ高校・大学の先輩から誘われて京大オケの新歓を聴きに行きました。高校の頃まではオーケストラを全然聴いたことがなかったんですが、京大オケのメンバーによる室内楽を聴いたときに、すごく上手だなと感じました。オーケストラであれば、弦楽器の人たちとも一緒に演奏できるし、ファゴットのおいしいところも結構あるので、オーケストラをやりたいと思いました。
―――シュタフィルにはいつ頃から関わっておられますか?
シュタフィルには、京大オケ時代の先輩に誘われて関わるようになりました。シュタフィルとしての初回公演から参加しています。一人ひとりの力量が優れたオーケストラだと感じています。
―――お仕事に加えて音楽活動も…となると、忙しくありませんか?
中高のときは毎日部活で、休みがあんまりなかったんですよ。夏休みも2日しかないみたいな。大学時代も京大オケってスゴくハードでしたし。
でも社会人になって、銀行の仕事が5時過ぎに終わって、そこから家に帰って何もすることがないのが逆にすごいしんどいんです。なので、まっすぐ家に帰るということがあまりなくて、カラオケで楽器吹いたり、ヨガ行ったり友達と遊んだりしてました。なのでシュタフィルの活動があることで生活が楽しくなっています。
ファゴットって、他の木管楽器と比べてもすごくコストのかかる楽器なんですけど、家族の応援のおかげでこれまで吹き続けてくることができました。こうして演奏会に出させていただいたり、またファゴット奏者は希少ということもあって色々なオーケストラから呼んでもらえるので、社会人になっても演奏ができているという今の環境については本当にありがたいなと感じています。
↑カフェやスイーツが好きで、とりわけ京都のチョコレート専門店事情には明るいとのこと
―――今回(5月1日)の公演では、「ダンツィ:ファゴット四重奏曲第1番 ハ長調 Op.40」(※岡さんも出演)、および「モーツァルト:弦楽四重奏曲 第23番 ヘ長調 K.590」の演奏が予定されています。今回の公演の聴きどころや意気込みを聞かせてください!
ダンツィってあんまり知られてないと思うんですけれども、木管五重奏曲をいくつか残しているので、木管奏者にとってはとてもなじみのある作曲家なんですね。これまでにも発表会などで彼の作品をよく演奏してきました。
今回の「ファゴット四重奏曲 第1番」については、大山先生からお勧めしていただきました。ヴァイオリンとファゴットがずっとソロで、掛け合いをする曲です。石上さんとの共演ということですごくうれしいです。
毎回練習では学ぶことしかなくて、とても楽しいです。石上さんのいろんな表現や音色の引き出しはすごく勉強になっています。演奏会までに少しでも良い演奏ができるように、仕事終わりの練習頑張ります!
モーツァルトの弦楽四重奏曲は、繊細かつ迫力ある演奏となっております。石上さんの音をこんなに間近で聴ける演奏会はとても貴重ですし、是非ご来場頂ければと思います!
↑モーツァルトの弦楽四重奏曲の練習風景
―――ありがとうございます。石上さんとの掛け合い、これは必見ですね。本番の演奏を楽しみにしています!
【岡 茉里奈さんプロフィール】
ファゴット奏者。中学時代に吹奏楽部にてファゴットを始める。その後、大阪桐蔭高校吹奏楽部、京都大学交響楽団を経て、現在は銀行に勤務する傍らシュタール・フィルハーモニー管弦楽団の団員としても活動している。
【シュタフィル室内楽シリーズVol.4 公演情報】
岡さんも出演される「シュタフィル室内楽シリーズVol.4」についての公演情報詳細は、以下のリンクからご参照ください。予約受付中です!
https://stahlphorchestra.amebaownd.com/posts/33110900?categoryIds=5972205
0コメント