[ シュタフィルVIEW -vol.2- 野村佳代 ]
シュタフィルVIEW、第2弾はコンサートのチラシの絵を描いてくださっている野村さんにインタビューしました。野村さんにはこれまでの沢山のチラシの絵を描いてもらっています。どうやってチラシの絵を描かれているのか、制作の裏側を聞いてみました。どうぞお楽しみください!
(12月の演奏会のチラシ)
今回の絵は、1回目の古典シリーズとは随分と印象が変わりましたね。
正直に言って今回は、随分と苦労しました(笑)。というのも前回は交響曲の第2番を聴いて描いたんですが、その時と比べて全然イメージが浮かばなくて。
えーそうなんですか。
依頼を受けた阿曽沼さんからも、「まぁ任せるよ」としか言われなくて(笑)。どうしようかと思っていたら、彼から「交響曲の3番と5番を聴いて比較してみたら?」と言われました。大曲2つに挟まれてあまり演奏されることのない曲だということも知ったので、それならとイメージを掴むために3,4,5という順番でひたすら繰り返し聴いてみました。
なるほど。確かに第4番は、3番の英雄、5番の運命に挟まれていますね。
そうです。その3曲を比較することで、4番のイメージを深めることができないかなと思ったんです。
比較してみて少しずつはっきりしてきたのは、3、5番ではどっしりとした重厚感を感じるのに比べて、4番の特徴は爽やかで若々しいエネルギーを感じる、ということです。聴き込んでいくと5月の早朝の草原のようなイメージが湧き上がってきました。夜が明け、朝日が輝き出るイメージ、それも5月の若葉がどんどん生えて草木が育っていく季節のもの。ですので、作品は、夜明けの空の色合いで、エネギッシュに描くように務めました。
そうなんですね。かわいいっていう印象を受ける人もいましたが。
かわいいですか…!少し意外です。私はそういうつもりでは描いていないのですが、作品の感じ方は音楽同様、人それぞれですので色々な解釈や感想嬉しいです。
(古典シリーズ1回目のチラシ)
感じ方は自由なのは音楽も変わらないですね!音楽を聴いて絵を描くことはあまりないと思いますが、苦労された点などありますか。
例えば全体で1時間の音楽を聴いた時に、その1時間をたった一枚の絵に描くことには相当苦労しますね。その1時間の中に色々なドラマや流れがあるのに、それを一枚の絵の中に閉じ込めることは簡単ではありません。なので、先ほど言ったように何度も繰り返し聴いて、全体の印象や感じたことをまず捉えるように心がけました。その上でその印象を言語化し、それから描くように心がけています。
確かに。交響曲は楽章ごとにもカラーが違いますし、全体のイメージをつかむのは難しそうです(今回演奏するベートーヴェンの交響曲第4番は4つの楽章からなる)。
また音楽というのは、その時々の自分の状態で印象が変わるものだとも思います。なので、聴く時には自分がなるべくニュートラルな状態であることも合わせて心がけています。
ありがとうございます。ちなみにシュタフィルのコンサートは前回の古典シリーズにお越しいただいたと伺いました。感想を聞かせていただいてもいいですか。
はい、月並みですがとてもいいコンサートでした(笑)。純粋な音楽を聴く、それも生で聴くことの喜び、は勿論感じましたが、それ以上にクラシック初心者の私だからこそ、楽しめたところが多々ありました。演奏の合間に演奏家のバックグラウンや演奏にかける想いなどについてトークがあったおかげで、演奏を聴きながら「ここの部分は解説で言っていたあのことかな?」と想像を働かせながら聴くことができました。なんとなく演奏そのものに対する親近感を感じることができたことが大きかったです。
(シュタフィル1回目のコンサートのチラシ)
おぉ、宣伝してくださりありがとうございます!(笑)
シュタフィルをきっかけとして、もっとクラシックの歴史について知りたい、という想いが募り、今それに関する書籍を読んでいます。
それは演奏者冥利に尽きます…ありがとうございます!さて、最後になりましたが、もしイベントなどの告知があれば是非お願いします。
はい。今後の予定ですが、9月に東京、10月に京都、12月に岡山と個展が続きます。その他グループ展の予定もありますが、9月の個展のフライヤーが出来上がっているので、そちらを掲載します。個展期間中はワークショップやイベントも開催しますので、詳細はホームページをご確認いただければ幸いです。( https://kayo-nomura.com )
個展のご案内
9月3日ー20日 東京 世田谷百貨店
10月4日ー14日 京都 ONE AND ONLY
12月7日ー15日 岡山 アンクル岩根ギャラリー
(ワークショップの様子)
(世田谷で開催される個展)
ただの展示会ではなく、色々なワークショップもあるんですね!皆さんぜひ足を運んでみてください。 野村さん、今回はお忙しい中ありがとうございました。
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